2011/04/27

各地からのエール

コレット(米国カリフォルニア州)
つらい目にあった時、私は最大限の努力をして自分自身を大切にします。
そうすることで、他の人を支えるためのエネルギーが得られるからです。
良質の食事、野外で過ごす時間を持つこと、運動、そして数分間静かに過ごすことで、いつもリラックスすることができます。
私が最も大切にしているのは、毎日、何か感謝したいと思う事柄について考える時間を作ることです。毎朝、数分かけて、私は自分の人生の中の様々な素晴らしい事柄について考えます。そして、私に与えられたすべてのものを持っていられることに対して、なんて幸運なんだろうと実感します。私は素晴らしい家族と、健康な心身を持っていることに感謝します。
そうすることで、私の上にずっしり重くのしかかってきているいろいろなことが、いずれ近いうちに良い方向に向かっていくだろうという希望が持てます。

デイビッド(米国カリフォルニア州)
カリフォルニアの中央沿岸地域から、善意と祈りを日本の皆様にお届けします。
私達は地震と津波が日本の皆様の友人、家族そしてサポートグループに及ぼした衝撃を、ただ想像することしかできません。
今日、カユコスというカリフォルニア中央沿岸部の小さな町で、チャリティーコンサートとイベントが日本の人々のために開かれます。
この試練の時に、私達はここで皆様を支援しています。

ジェイン・ワイズ(米国カリフォルニア州)
地震のニュースを聞いて、すぐに日本の大切な友人たちのことを考え、心配しました。
努力を惜しまず熱心で、プロフェッショナルな対応を行なうASKの友人たち。
私は長年、仲間としてともに活動することができたことを、光栄に思っています。
今回もASKは、同様な経験をしたなら私もそうしたいと願うような行動を見せてくれました。
それは、モデルを示すということです。
依存症から回復している人々が困難なときをどのように乗り越えているか、ストレスをどう軽減しているか、経験をシェアするよう呼びかけてほしいと、私たちに支援を求めてきたのです。
ASKは行動を起こし、連帯と支援を求め、優先順位を決め、コミュニティのニーズを満たしながら、自分自身の不安にも向きあったのです。
私からのメッセージはシンプルです。
「あなた方は一人ではありません」
私たちは小さな世界に皆で住んでいます。
日本の人々は私たちに、廉潔、精神力、そして団結力を示してくれました。
私のメッセージをこうしてお伝えすることができるのは、本当に光栄なことです。ありがとう!
(飲酒運転者への介入 DUIカウンセラー)

カレン・マイケルス/エドウィン・ファルシング(米国カリフォルニア州)
人々を力づけ心を豊かにする疲れを知らない皆さんの取り組みに、神のお恵みがありますように。私たちの祈りは、ずっと、皆さんとともにあります。
(アルコール薬物カウンセラー/医師)

パウラ・ウォルド(米国カリフォルニア州)
世界の親愛なる友人たちへ
この何よりも危機的な時に、私の心は皆さんと皆さんの大切な人々のことを思っています。
皆さんやご自宅に起こった出来事の意味を理解するのに、慰めの言葉や魔法の知恵を知っていたらと思います。皆さんのことを考え祈っています。
回復について言えば、今は間違いなく急な再発が起こりうる時期です。いつも以上に、他の人々の支援がとても大切です。未消化の感情は、どんなときでも再発への最大の罠となりますが、今こそ、その危険に留意すべき時です。
皆さんの精神的、そして身体的健康と回復をお祈りします。回復に向けたプログラムが、不可能なように思われるこの時に皆さんを支えることを祈っています。
皆さんに愛と祈りを込めて。

メアリー・キャロル・メルトン(米国オハイオ州)
こんにちは。毎日皆さんのために祈っている大勢の人たちが世界中にいることを、ただ知っていただきたいと思います。
人生においてあまりにひどい困難に出会った時、回復することは個人的に本当に難しいことですが、このような時こそ、回復が最も意味ある時なのです。
皆さんに心をかけ、皆さんを支える多くの人々がいることを知ってください。

ベティ(米国ワシントン州)
あなた方のことを思っています。あなたがたは勇気と回復の力、そして最も困難なこの時期に自分をしっかり支える信念を持っています。
どんなに恐かったかと思い、涙があふれそうになります、先ほども大きな余震があったと聞き、心配しています。
あなた方と共にいることを知っていてください。
ご自分の力を信じ、断酒を続けてください、そしてお互いを労わってください。
虹はもうすぐそこに。

ジーン・C(米国アリゾナ州)
災害の中でも神のご慈悲はあると、自分自身の体験から思っています。
私はずっとこの大災害の中にいらっしゃる人々のことを神に祈り続けています。
神様のご慈悲が皆様に届くように。あなたの心に愛と平和と癒しが届きますように。

トーニャ(米国アリゾナ州)
今、私は1人で宇宙といきとしいけるものへの愛が全ての人に注がれるように念じています。私の小さな心では想像できないほどの多くの愛が届くことを念じています。
過去の暗い日々から少しでも前進し光を見出せるように。私の日本の兄弟姉妹たちを愛と光で包み込みたいと思っています。
いつか元気で会えますように。

レイ・ラニ・リー(米国ワシントン州)
みなさんにたくさんの愛と祈りを送ります!

シャロン・クルーズ(米国ネバダ州)
みなさんがくじけずに前進を続け、希望と勇気、安らぎをみつけられるよう願っています。みなさんは必ず回復します。心を強く持ち、冷静さを失わないでください。そうすればこの危機的な状況の中でも、解決策を見出せるはずです。
私の家族はアルコール依存症でした。その家庭で育った経験から、私は困難な状況を直視し、そこから回復する術を学びました。
みなさんに希望が与えられるようお祈りいたします。心をこめて。

マーク(米国カリフォルニア州)
復興は日々新たな困難に阻まれ、あなたはその困難が例えようもなく大きいと感じていることでしょう。本当にそうだと思います。だから今はまだほんの小さな一歩しか踏み出せなくても、それは仕方のないことだと思います。
でも今世界中の人々があなたのことを思い、そしてあなたのために祈っていることを忘れないでください。

ジュディ・ホリス(米国カリフォルニア州)
みなさんはひとりじゃありません。わたしたち全員がみなさんを応援し、愛し、そして心からすばらしいと思っています。あまりのできごとに押し流されそうになることもあるでしょう。この困難な状況のなかで、回復のためのプログラムがあるのは本当にありがたいことだと思います。どうかがんばってください。わたしたちもみなさんのことを思い、応援しています。

エド・ノイズ(米国ワシントン州)
あなた方一人一人が回復することで、あなた方全員がみんなの励みになります。
あなたが回復できれば、いずれ国も回復できます。強く生きて!

ジルR(米国フロリダ州)
被災地に行って活動するボランティアは必要ですか???
もし必要なら、私は興味を持っています。情報をください。

ベティ(米国ワシントン州)
敬虔な気持ちで、皆さんの美しい国と私たちの地球を襲った甚大な被害を、目に涙を浮かべながら見ています。そして、同じように敬虔な気持ちで、地域のためにつくすことを求められた皆さんの数々の勇気、コミットメント、忍耐力を目にしています。見事です!感動的です!
世界は勇気を持ったあなた方に強い関心を持っています!
私の知人、話し相手、文通相手の誰もが、同じ気持ちを持っています。
友人のクラウディア ブラックが、私に“おばあちゃんの知恵”と呼ばれる「一組のカード」をくれました。AAでは日々多くの精神的な支えがあって、断酒生活を続ける糧となってくれることを私は知っていますが、これは少し違います。なぜなら、このカードは「あなたは賢者ですよ」と私たちに伝えてくれるからです。
今朝、私はこのカードの箱を開け、偶然出てきた1枚のカードを引きました。
そして、このカードは、あなた方へのメッセージだと思いました。
「世代: 私たちは時に、自分たちが残せる遺産はなんだろうと考えます。
どんな歌、ジョーク、役に立つ話を次の世代に伝えられるのかしら。私たちが過去の世代から伝わったものを今受けとっているように。
おばあちゃんは情熱、時間、根気と経験を持ち合わせています。おばあちゃんが話しかけると、地球が癒されるという人さえいます。
7世代先を見ましょう」
私は今、あなた方に、何世代も先を見ることを勧めたいと思います。
今日あなたがすることが、今後、何世代もの人たちに影響を与えます。
心を込めて!

アラスカ先住民の被災体験

デブ・エべンセン・ホーマー(米国アラスカ州)
1989年、アラスカの私たちの大地は、大規模なオイル流出によって多大な被害を受けました。私たちは、神聖な海が毒になってしまう恐ろしさを知っています。
あなた方が立ち向かおうとしているものは、私たちが直面したオイルの恐怖よりも、もっとずっと大きいでしょう。しかし私たちはこの、ある愛すべき原住民の年長者が書いたこの手紙が、あなた方の救いになることを望んでいます。
年月が過ぎ、今、アラスカの海には命が戻っています。自然の強さと回復力には目を見張るものがあります。人間もまた同じ力を備えていると思います。
私たちは、あなた方の勇気と力を尊敬しています。日本は他の世界に対して、大災害に直面した時にも共に手を取り合って立つ姿を見せてくれています。神のご加護がありますように。

エクソンバルディーズのオイル流出の被害を受けたアラスカ先住民のウォルター・メガナック村長
以下は、「水が死んだ日 The Day the Water Diedからの抜粋です。
198911月におこなわれたエクソンバルディーズのオイル流出に対する市民コミッションヒアリングの編集)

先住民の暮らしを知らない人々にとって、エクソンバルディーズのオイル流出事故が先住民コミュニティに与えた影響を理解するには、ウォルター・メガナックによる雄弁な供述を読む以外にない。メガナックはケナイ・ペニンシュラの一部であるポート・グラハム・ネイティブ村の代々の村長である。

「先住民の歴史」は白人の物語とは「異なる物語」である。なぜなら我々の生活は違うものだからである。我々の価値感は異なっている。我々の、水や土地、植物や動物のとらえ方はすべて白人とは異なっている。白人がスポーツやレクレーションや金のために行なうことを、我々は生きるため、自分達の体を生かすため、我々の精霊を生かすため、昔からの文化を生かすために行なう。
釣りと狩りと採集は、我々の伝統と通常の毎日の生活のリズムであり、それはひまつぶしでもなければ雇われた仕事でもない。

私たちの生活は神の作りたもう季節に根付いている。大昔から、先住民の生活は自然のリズムとサイクルに調和してきた。我々は自然の一部である。我々にはカレンダーも時計も必要ない。木々の新しいつぼみの緑色が、冬の巣ごもりから帰ってきた鳥たちが、暖かい陽光が、我々にすべてを教えてくれる。
日が長くなると、我々は準備を始める。釣りのために長靴と船と網とギアを準備する。冬の海岸もさびしくはない。なぜなら春になればこども達も大人達も皆やってきて、海の恵みである2枚貝、巻き貝、ヒザラ貝を集める。最初のサケを捕まえる頃には村中が沸きかえる。それは毎年の唾液あふれる喜びの儀式だ。こどもたちは興奮し、親たちは喜び誇らしげに胸をはり、長老達は村の昔の思い出と共に微笑む。
お腹がいっぱいになると、次は冬のために食物を準備する。サーモンを乾燥させ、薫製し、家族みんなに食べさせるために数百の魚を準備する。すべての家々は洗濯物をぶら下げているそばに魚をぶらさげている。春の村のこの光景と匂いが先住民のやり方だ。これが長老達が我々に教えてきたやり方で、何千年も前アラスカに大きな氷がまだある頃から長老達はそれを教えてきたのだ。その頃はヨーロッパ人はいなかったし、ローマ皇帝もユダヤ人もキリスト教信者もエジプト文明もなかった。ここに我々の祖先だけがいたのだ。アラスカの先住民達はここで春を祝福し、笑い、恋をし、働き、自然のリズムに自分達のリズムをあわせてきた。

最近の世紀において、多くのことが我々におこった。我々は今、トイレも学校も持っている。家には時計とカレンダーがある。朝、オフィスに通う者もいる。子供達は学校へ行く。しかし、時には、オフィスは空っぽになり鍵がかかるし、子供達は学校に遅刻する。なぜなら、仕事や学校よりももっと大切なやるべきことがあるからだ。例えば、海岸にヒザラ貝を取りに行ったり、最初の魚を見に行ったり。
我々の生活の根っこは水と大地の中に深く広がっている。それが我々なのだ。我々は、我々の兄弟である熊や鹿のようだ。我々は大地に暮らし、食べ物のほとんどは水の中にある。熊は魚を食べ、鹿は海草を食べ、我々先住民は海と水の中に生きるすべての命を食べる。大地と水は我々の命の源。水は神聖なもの。水は洗礼盤に似て、その豊かさは我々の命の聖餐である。
非先住民が我々の土地にやってきて以来、我々はかつて持っていたものをすべて失った。が、水との関わりだけは決してなくさなかった。水は我々の命の源だ。水が生きている限り、先住民も生き続ける。

春の初めの頃だった。魚も、巻き貝も、どんな春のきざしもまだ我々にはなかった。緑が芽生え始め、数羽の鳥が飛び、鳴いていた。季節の興奮がちょうど始まった時、我々は一つのニュースを耳にした。水の中にオイルがある。大量の水を殺す大量のオイルがある、と。信じられない衝撃。我々の伝統的な幸福な時代には、まさか水を死なせることが可能だなんて全く思いもしなかった。しかし、それは可能だったのだ。
我々は海岸を歩いた。しかし、巻き貝もフジツボもヒザラ貝も、岩からはがれ落ち、死んでいた。我々は我々の最初の魚、年間の最初の魚をとらえた。それは、伝統的な喜びのすべてだった。しかしそれはオイルの検査を受けるために州に送られた。その年の最初の魚は得られなかった。
我々は海岸を歩いた。しかし生きているものはなく、死だけがそこにあった。死んだ鳥、死んだカワウソ、死んだ海草。我々はお互いに抱き合い、涙と悲しみと損失を共有する前に、まだもう一つの荒廃に苦しむことになった。

我々は、仕事を与え、高い報酬を与え、たくさんの金を与える石油会社によって侵略された。我々は動揺の中にいた。我々はオイルをきれいにする必要があり、オイルを我々の水から取り除き、死を取り除き、命を取り戻す必要があった。我々は自暴自棄に酔っていた。我々は提供されるものを受け取る以外に選択肢がなかった。そして、我々は仕事につき、注文を受け、分裂し、無意味な忙しい仕事に忙殺されることになった。
我々は戦い始めた。我々はコントロールを失った。我々はお互いの信頼をなくし、日々の生活のコントロールを失った。誰もが他人にあつかましくなった。我々先住民は周りに支配されることに慣れていない。我々はそれを好きではない。しかし、今や、我々はお互いを指さす。みんなが支配者になりたがる。我々はチームのようには働かない。我々は村のコントロールも失った。我々の幼稚園はコミュニティセンターで運営されていた。我々は幼稚園を閉鎖し、石油会社がそれを所有した。今や我々は石油会社のために働いている。我々は金のために働いている。村の春の季節は失われ、すべて破壊された。

我々は病気になった。村中の大人も子どもも、その年海岸で働いた者は、腹痛、頭痛、ひどい風邪、たくさんの病気になった。我々は今やお互いにほとんど話をしない。誰もが短気になった。誰もが相手に飛びかかり、非難する準備が出来ている。人々は怒り、恐れて、困惑する。年長者は無力であると感じる。彼らは働くことが出来ない。彼らは掃除をすることができない。彼らは食物を集めるなど冬の時期に備えるすべての行動をすることができない。
そしてほとんどの者が、若者達に先住民のやり方を教えることができなくなった。水が死んでしまったとしたら、子供達はどうやって価値や方法を学ぶのだ? 水が死んでしまうなんて、そんな恐ろしいことが。もし水が死んでしまったら、おそらく我々はみな死ぬだろう。我々の遺産、我々の伝統、自然と互いに関係してきた我々の命と生活の方法も。

石油会社はオイルの流出防止について嘘をついた。今、彼らはオイルの除去について嘘を付いている。我々はみな、海岸で何が起こっているか知っている。一つの大きな岩の掃除に一日中費やす。やがて潮が満ちると、その岩は再びオイルによって覆い尽くされるのだ。岩の表面をふき取り、防護スプレーを吹きかけるのに1週間を費やす。しかしその岩を拾い上げると、下には4インチのオイルがある。

我々先住民は、水と海岸を知っている。しかし我々は今、何をすべきか命令されている。彼らは我々に命令すべきではなく、どうすればよいかをたずねるべきなのに。我々は、富める強大な巨人:石油企業と戦う。しかし同時に、我々は石油企業から依頼を受け給料をもらっている。我々は半分に引き裂かれる。
終わりはあるのか? 5年たてば、我々は再び春の水の命を見ることになるかもしれない。しかし本当に、水と海岸は我々にその姿を見せてくれるだろうか。次の5年の間に、我々の生活に何が起こるのだろうか? 洗浄作業が終わり金の支払いが終わるこの秋には、いったい何が起こるのだろうか? 我々はこのような荒廃をくぐり抜けてきた。我々の村は水疱瘡と結核により、ほとんど破壊された。我々はアルコールとドラッグ濫用と戦い、なんとか生きのびてきた。

白人の賢者がかつて言ったという。「命あるところに、希望がある」
それは真実だ。しかし今我々が眼にしているのは、死、お互いの死ではなく、命の源である水の死だ。我々は多くの助けを必要とするだろう。かつてない長い冬、水の死という長い不毛の季節を生きるための、多くの伝聞を必要とするだろう。
私は長老である。私は村長である。私は希望を失わないだろう。私は仲間達を助けるだろう。我々はかつて、こんな種類の死を生きたことはなかった。我々は過去から学び、お互いから学び、そして生きていくだろう。水は死んだ。しかし我々は生きている。そして、命有るところ、希望がある。

ウォルターメガナック村長、ポート・グラハム・ネイティブ村

2011/04/24

被災や困難を乗り越えた体験

チャーリー・N(米国カリフォルニア州)
断酒29年になるアルコール依存症回復者です。
2003年に起きた山火事で、サンディエゴ市内の2500もの世帯と周辺全域が焼き尽くされ、数え切れないほどの人が亡くなりました。
僕はちょうどそのとき、ベティ・フォード・センターでトラウマについてのスタッフ研修を受けていました。火は自宅近くまで迫り、あと15分ほどで周辺が焼き尽くされそうだという電話をもらったけど、帰れませんでした。自宅までは2時間かかるからです。
4日後に帰宅が許されて戻ったら、周辺の350世帯がすっかりなくなっていました。自分の家も、ペットも、車も、子どもの写真やビデオテープも、すべてがなくなっていました。
何か手伝えることがあったらと電話してくれた人々を、最初はみんな断っていました。でもひとりでは何もできないことに気づきました。「助けてほしい」と自分から言ってみたら、友人や回復中の仲間たちが大勢集まってくれて、瓦礫の選り分け作業を手伝ってくれました。彼らが支えてくれたことが、何よりも力になりました。
アルコールや薬物への依存から回復したという、その事実があなた方の大きな力です。
廃墟から立ち上がり、仲間と共に生きることで、元気を取り戻せるように祈っています。そこに平安と回復があるから。

ジャック・F(米国ワシントン州)
AAメンバー同士が仲間を支えあう力はすばらしいものです。ことに危機に直面した時の結束力はすごい。再発の危機、災害、可能な限り仲間に応援の手を差しのべます。祈り、寄附、励ましの便りなど、できる形で。
私自身もある危機的な状況で仲間の力に大いに助けられました。
1982年、AAソーバー10年を祝ってもらった私は、世界一すばらしいパートナーに恵まれ、人生はばら色で、ジムに通っては大好きな運動を続けていました。さまざまの場所で開かれるミーティングに参加し、AAメンバーとしてのサービスにも積極的に出かけていきました。その私に悲劇が襲いかかったのは翌年のこと。治療困難な白血病と診断されたのです。
入退院を繰り返すなかで医者は私に余命6ヵ月と告げました。がん細胞を安定させる最後の手段として、医者は私の脾臓を切除しました。体調は優れず、体重も減り、回復の望みはごく僅かでした。意識が混濁したまま病床に横たわっていた私の目に入ったのは、ベッドの傍らで祈りながら私の手を握るAAの仲間たちでした。AAメンバーのすばらしいサポートと祈りがあったからこそ、私は病気に打ち勝ち、生還することができたのです。
日本の大変な状況にいる仲間に、ぜひ知っていてほしい。
ここアメリカでもあなた方の仲間が、祈りとともにみなさんを心から支えていることを。
愛を込めて。

シャール(米国カリフォルニア州)
皆さんがどう感じているか、私にできるのは想像することだけです。でも皆さんの気持ちはよくわかるつもりです。なぜなら私の姉妹は、ニューオーリンズのカトリーナ・ハリケーンでの犠牲者の一人だったからです。彼女がどこにいるか、生きているのかもわかりませんでした。私はお酒を飲むことは考えず、その代わりにミーティングに参加したり、誰かに電話をかけたりして気持ちを吐き出しました。
今、皆さんはそんなこともできない状況にいるのかもしれません。もしそうなら、自分より大きな力を求めて、克服できない試練は与えられないことを心にとめていてください。
皆さんのことを祈り続けています。幸せを願って。

デブラ(米国アラスカ州)
とても尊敬している人が、つらい時期を過ごしていた私にくれた、役に立つアドバイスを思い出しました。
「状況がどんなに悪く思えても、そんなことは関係ない。事態が、想像もできないような良い方向に進展していくことが、世の中にはたくさんある。どんなに状況がひどくても、あらゆる可能性があり、神の愛はすべての人の求めにいつも答えてくれるということを自覚しなさい」と、彼女は教えてくれたのです。
私の親友の夫がひどい脳卒中で倒れ、家族は救急治療室で医師達から、「もし生命の危機を脱したとしても、今後は腕を動かしたリ、座ったり、話したりすることはできなくなるだろう」と告げられました。
彼女が病院の救急治療室から電話をかけてきた時、私は尊敬する人からもらったアドバイスを伝えました。「他人があなたに何を言おうと、状況がどんなに深刻であろうと、それをそのまま受容することはないわ。どんな可能性もあるということを覚えておいて。恐怖に流されないで、ただ信じて」と、私は言いました。
医師達は、彼女の夫に奇跡が起きたと言いました。彼が元通りの健康体を完全に取り戻したからです。
皆さんは、これよりもっと大変なことに直面しておられることと思います。そして、皆さんには乗り越える力があることを、心から信じています。
どんなことでも可能です。奇跡は日々起きています。そして神の愛は人々のすべての願いを聞き入れてくれます。
愛を持って、あなたに寄り添っています。

ジュリー・B(米国ニューヨーク市)
ニューヨークで起きた9.11の突然の悲しいできごとのあとも、わたしたちはミーティングを続けてきました。でも、AAに出席するだけでもつらいときがありました。それでも、わたしたちは集まりました。おたがいに話をし、話をすることをやめずにきました。どうかアルコールを飲まないでください。助け合い、祈り、散歩をして、できれば簡素な食事をしてください。
この苦しみもいつか過ぎ去る、と人はいいます。そして本当に過ぎ去ります。生命というものは強く、回復力に富んでいます。日本のみなさんと一緒です。大震災をきっかけに、闇に向かってしまわないように。この苦しみは過ぎ去ります。今回を逃したら、お酒を断つ機会はもうないかもしれません。みなさんを愛し、応援しています。

ジュリア・B(英国ロンドン)
回復のさまざまな段階にある友人のみなさんへ
いま、みなさんが直面している苦しみの大きさは、わたしには想像もつかないものだと思います。でも、みなさんにお話ししたいことがあります。
わたしはアルコールやドラッグを断って24年以上になりますが、その間、数々の個人的な悲劇、社会的に大きな悲しいできごとを乗り越えてきました。たとえば、結婚式の翌日に流産し、子供を産めなくなってしまったこと、9.11当日にニューヨークにいたこと、1989年のサンフランシスコ大地震で被災したこと。こうしたできごとや大切な人やものを失った経験をアルコールやドラッグに手を出さずに乗り越えてこられたのは、祈ること(なんであれ、そのとき自分が信じているものに対して)、瞑想(毎日)、そして人と話すことによってです。
わたしが話をする人たちは、わたしの気持ちを理解してくれたり、落ちこんでいるときでも、せめてアルコールやドラッグに手を出さずにいることで、わたしが力になれるかもしれない人たちです。この方法はいつも簡単だったわけではありません。ほかの人のように悲しみに溺れてしまえたらと思うこともあります。でも、もちろん、問題はそんなに簡単に片づくものではありませんでしたし、これからも、どんなに不安でつらいことがあっても、悲しみに溺れてすみはしないでしょう。
あらためて申しあげますが、みなさんが感じているストレスは、わたしには想像もつきません。でも、こんなときこそ、どうか回復に努めてください。

シャーリーン・チェイス(米国ワシントン州)
私のような回復途上の旅人仲間へ。
私は断酒生活を33年続けていますが、ときには、日々の出来事による苦痛で死んでしまいそうに感じることもあります。今あなたが生きている人生のように。
私は、大いなる力によって、人生の後半に起きた予想外の離婚を乗り越えました。いかなるものも、いかなる人も、私に再び精神安定剤を飲ませるようなことはできないと知りました。
私たちの友情は、愛と強さでできた永遠に終わることのない輪です。勇敢で素晴らしいあなた方一人一人に、神様の加護と断酒生活の継続への私の祈りを送ります。
愛を込めて。

各地からのエール(依存症回復者から)

ボビー(米国アリゾナ州)
僕が33年ものソーバーを続けていられるのは、AAプログラムから学んだ数々の素晴らしいツールのお陰だ。アルコホーリクにAAメッセージを届けるのは名誉なことだと思っている。
僕の場合、ミーティングに行かれないときに役立つのは……
批判せずに耳を傾けてくれる人に話を聞いてもらうこと。これは、自分が自由でいるために大切なこと。
そういう人が見つけられないときは、ハイヤーパワーに祈る。アルコールや処方薬への迷いを断つ強い心をくださいって。
僕たちAAのメンバーはあなた方のことを思っているし、AAプログラムがあなたのソーバーを支えてくれるように祈っている。
飲まないことを続けよう。
愛とともに

ライル A.(米国アリゾナ州)
仲間に自分の気もちや痛みを聴いてもらうことが、私の回復には欠かせません。
私たちはAAのビッグブックに記されたシンプルなステップを踏むことで、互いに助け合えるのです。仲間を探し、仲間と会いましょう。
少なくともふたりのアルコール依存症者が会い、それぞれの回復を分かち合うことができれば、それがミーティングなのですから。
今日一日!

デブラ・リンカン・ロペス(米国オレゴン州)
回復中の方々を応援します。
私自身、34年間も依存症で苦しみました。今は、しらふの生活を送っています。
むずかしいことではあるけれど、ほんとうに心から望むのなら、たとえあなたの周りで何が起きていようが、回復は手に入れられます! 絶対に!

マイク・ハージス(米国カリフォルニア州)
私自身回復途上いる者として、あなたの国で最近起きた大災害が回復中の依存症者にさらに重い荷を背負わせてしまうのではないかと心配しています。
私はマリファナ依存症のための自助グループに入っています。(マリファナ依存症自助グループの人数はあまり多くないと思いますが、他の依存症と同じように現実にある問題なのです)
この試練の時にあたり、私の想いと祈りをすべての日本人にささげます。
また、私はこの分野の専門家の方達、救援者、そしてサポートグループに対し、今すごく必要で価値のある仕事をしてくださっていることに感謝していることをお伝えしたいです。

ルー・B(米国フロリダ州)
平静であることは、台風の目の穏やかさです。
私は悪いことが起きて平常心が保てなくなりそうな時、これを思い出します。私のハイヤーパワー(自分を超えた力)はいつでも存在し、問題に対処する力を私に与えてくれます。私が恐怖心にとらわれることなく自分を信じている時には、物事をうまく進めることができます。
私が恐怖心を持つと、嫌な考えに取りつかれてしまい、私の平静さはどこかへいってしまいます。
どうか覚えていてください。あなたは一人ぼっちではありません。世界中の回復のための仲間があなたのために祈っています! あなたのお役に立てますように。

アン・ミラー(米国カリフォルニア州)
こんにちは! 大震災で多くを失われた方々にお悔やみを申しあげます。みなさんは深い悲しみに沈んでいらっしゃることでしょう。
何かを失ってストレスを感じたとき、わたしは悲しみの5段階を思い出すことにしています。取引き、怒り、憂鬱、受容、そして否認。
危機的状況に陥った場合にこういう感情を抱くのは自然なことですし、抱く必要があります。一度にひとつずつ。わたしは嘆き悲しむことを自分に許します。依存症に流されてしまうかわりに。
「わたしがあなたを守ってあげる、これ以上苦しませるようなことはけっしてしない」と、自分のインナー・チャイルドを励ますのです。すると、アルコールやドラッグの誘惑に負けたり、自分の感情を隠すために結果的に痛みを伴うそのほかの行動に走ったりせずにすみます。
ひとつだけ約束できることがあります。いまアルコールやドラッグに手を出さずにいられれば、みなさんはこれまでよりも強く、そしてまわりの人々が勇気づけられるような模範になることができます。アルコールやドラッグに手を出したら、いまよりもよくなることは何ひとつなく、悪くなることはいっぱいあるでしょう。
あなたはいま生きて存在しており、アルコールを飲まずにいることで人の役に立つことができ、そのおかげでたくさんの人から感謝されるでしょう。
心からみなさんの幸せをお祈りしています。このとてつもなく困難なときを、みなさんがどうか無事に乗り越えられますように。みなさんのハイヤーパワー(自分を超える力)がみなさんとともにありますように。

2011/04/22

ASKが招いた講師たちから

クラウディア・ブラック(米国ワシントン州)
親愛なる日本の友人たちへ
心からの祈りと思いを送ります。
危機に直面すると、人は、自分にあるとは思わなかった力を発見します。
さまざまな立場で、依存症という病と闘ってきたあなたがたは強いのです。
なぜなら、あなたがたは、自分にはどうにもならないものを手放すことを知っている。
一歩一歩、歩むことの意味を知っている。
仲間を信頼してつながること、「今」に集中することの大切さを知っている。
そして、アルコールや薬を使って得られるものは何もないことを知っています。
今こそあなた自身の回復に感謝する時です。かつてないほどに今、それが必要なのです。
愛をこめて。 

被災地の援助者、ボランティアの方々へ
どうぞ忘れないでください。あなたが今、援助している人と同じく、あなたは大切な存在であることを。
あなた自身のために、仲間や友人にそばに来てもらい、心を傾けて話を聴いてもらいましょう。
長期の援助をするには、あなた自身が健康でいなければなりません。
できるかぎり自分のペースを保ちましょう。
そして、どうぞ受け入れてください。あなたは一人の人間にすぎず、限界があることを。
あなたにできることだけをやれば、それで十分なのです。
あなたの働きに感謝しています。心から。
(ソーシャルワーカー・社会心理学博士)

スコット・ジョンソン(米国カリフォルニア州)
あなたはひとりじゃありません! たくさんの仲間が応援しています。
あなたのために毎日祈っています。ハイヤーパワーに助けを求めましょう。ハイヤーパワーは私たちを決して見捨てません。たとえ、私たちがハイヤーパワーを見捨てたとしても。
幾度もの苦しい時を乗り越えて、私は33年のソーバー(しらふの生活)を続けています。だから、あなたにもできます!
ひどいことがおきたら、シンプルなスローガンを唱えましょう。
「今日一日」
「今一分」
すべての問題を一日で解決しようなんて思っちゃだめです。

恐れや恨みや、自己中心的な自分を感じたら、抜き打ちのたな卸をしてみましょう。
うまく行かないことが続いたら、仲間に話しを聴いてもらいましょう。
一番効くのは、他者への奉仕です。そうすることで、平安と安心、人の役に立っているという感覚をもつことができます。
自分の問題をハイヤーパワーの手に委ねると、奇跡が起きます。
私たちの営みのすべてにおいてハイヤーパワーを信じること。そうすることで計り知れないお返しを受け取ることができます。災禍はハイヤーパワーがもたらすチャンスです。

災害に立ち向かうのは、プロセスなのだと覚えていてください。
まず「気づく」こと、次に「受け入れる」こと、次に「行動」すること。
私は「気づく」やいなや「行動」に移して、痛い目に遭ったことが幾度もあります。
「行動」する前に、スローダウンして物事を「受け入れる」ことができたら、あなたにとっても周囲の人々にとっても、よりよい結果がもたらされるでしょう。
最後に。この苦しい時はいつか過ぎていきます。永遠にこのままということはありません。
なにがあってもソーバーを続けていれば、あなたは人生に勝利します。
愛を込めて。

(アディクション・カウンセラー、ソーシャルワーカー)

ジェリー・モウ(米国カリフォルニア州)
毎日あなた方のことを思い、祈っています。
あなたたちは一人ではないことを、どうぞ覚えていてください。
信じる人々とつながって、サポートと導きを得ましょう。
困難でストレスフルな時は、ミーティングに多めに参加しましょう。
定期的に奉仕活動に参加しましょう。
「今日一日」で過ごし、よりいっそう自分を大切にしましょう。セルフケアの実践です。
あなたが愛する人々に、愛しているということを、日々伝えましょう。
(ベティ・フォード・センター子どもプログラム責任者)

デビッド・ロモ(米国アリゾナ州)
東日本大震災でお亡くなりになった方、ご家族を失い深い悲しみの中にいる方々に、心からのお悔やみを申しあげます。
未曾有の大地震、津波、そして原発事故……いま日本が経験しているような状況は、世界的に見ても非常に稀有です。このとてつもなく大きなダメージから、日本の人々がどう立ちなおっていくか、世界中が注目し応援しています。
世界は日本から学ぶことがたくさんあります。今回得られる教訓は、将来ほかの国々が支援を必要とすることになった場合、きわめて貴重なものとなるにちがいありません。 

さまざまな事件や災害を経験しながら、国際社会は、心の傷について、トラウマが長く残ってしまうことを避けるための心理的介入の重要性について多くを学んできました。
このたびのように多数の人がトラウマを負う出来事が起きた場合に、人々の感じ方、考え方、行動にどのような影響が出るのか――日本のみなさんは理解しておく必要があります。

瓦礫を片づけるといった活動や、その結果として町の復興が進むことによって、人々の気持ちはある程度楽になっていきます。けれど、心の傷を癒すには長い長い時間がかかる場合があります。
避難所で生活する大勢の方々が、最低限必要なもの(衣食住)を確保できたあとで、心理的な介入が必要になってくるだろうと思います。とくに、サバイバーズ・ギルト(生き残ったことへの罪悪感)への注意がいります。大人にとっても子どもにとっても、それぞれの苦しい体験に意味を見出していくような援助が必要です。
 
阪神淡路大震災の折、私は日本を訪れ、援助者のためのワークショップを大阪で行ないました。そのときに神戸の被災地を歩き、被災者の方々と語りあい、日本人に特有の葛藤があることも知りました。
日本のみなさんとのやりとりと私自身の経験を記した『災害と心のケア』が、いま、少しでもみなさんの役に立てるよう願っています。

いま、日本には時間が何より大切です。
嘆き悲しむ時間。自分を癒す時間。復興するための時間。

そして日本のもつ最大の強みを再発見し、取り戻し、実行してみせる時間です。
日本は過去にも天災や人災から復興を遂げてきました。
 みなさんの力を、私は心から信じています。
(精神科看護師・元ロサンゼルス郡精神保健局精神科救急チーム所属・アメリカ赤十字社災害ボランティア)