2011/04/24

被災や困難を乗り越えた体験

チャーリー・N(米国カリフォルニア州)
断酒29年になるアルコール依存症回復者です。
2003年に起きた山火事で、サンディエゴ市内の2500もの世帯と周辺全域が焼き尽くされ、数え切れないほどの人が亡くなりました。
僕はちょうどそのとき、ベティ・フォード・センターでトラウマについてのスタッフ研修を受けていました。火は自宅近くまで迫り、あと15分ほどで周辺が焼き尽くされそうだという電話をもらったけど、帰れませんでした。自宅までは2時間かかるからです。
4日後に帰宅が許されて戻ったら、周辺の350世帯がすっかりなくなっていました。自分の家も、ペットも、車も、子どもの写真やビデオテープも、すべてがなくなっていました。
何か手伝えることがあったらと電話してくれた人々を、最初はみんな断っていました。でもひとりでは何もできないことに気づきました。「助けてほしい」と自分から言ってみたら、友人や回復中の仲間たちが大勢集まってくれて、瓦礫の選り分け作業を手伝ってくれました。彼らが支えてくれたことが、何よりも力になりました。
アルコールや薬物への依存から回復したという、その事実があなた方の大きな力です。
廃墟から立ち上がり、仲間と共に生きることで、元気を取り戻せるように祈っています。そこに平安と回復があるから。

ジャック・F(米国ワシントン州)
AAメンバー同士が仲間を支えあう力はすばらしいものです。ことに危機に直面した時の結束力はすごい。再発の危機、災害、可能な限り仲間に応援の手を差しのべます。祈り、寄附、励ましの便りなど、できる形で。
私自身もある危機的な状況で仲間の力に大いに助けられました。
1982年、AAソーバー10年を祝ってもらった私は、世界一すばらしいパートナーに恵まれ、人生はばら色で、ジムに通っては大好きな運動を続けていました。さまざまの場所で開かれるミーティングに参加し、AAメンバーとしてのサービスにも積極的に出かけていきました。その私に悲劇が襲いかかったのは翌年のこと。治療困難な白血病と診断されたのです。
入退院を繰り返すなかで医者は私に余命6ヵ月と告げました。がん細胞を安定させる最後の手段として、医者は私の脾臓を切除しました。体調は優れず、体重も減り、回復の望みはごく僅かでした。意識が混濁したまま病床に横たわっていた私の目に入ったのは、ベッドの傍らで祈りながら私の手を握るAAの仲間たちでした。AAメンバーのすばらしいサポートと祈りがあったからこそ、私は病気に打ち勝ち、生還することができたのです。
日本の大変な状況にいる仲間に、ぜひ知っていてほしい。
ここアメリカでもあなた方の仲間が、祈りとともにみなさんを心から支えていることを。
愛を込めて。

シャール(米国カリフォルニア州)
皆さんがどう感じているか、私にできるのは想像することだけです。でも皆さんの気持ちはよくわかるつもりです。なぜなら私の姉妹は、ニューオーリンズのカトリーナ・ハリケーンでの犠牲者の一人だったからです。彼女がどこにいるか、生きているのかもわかりませんでした。私はお酒を飲むことは考えず、その代わりにミーティングに参加したり、誰かに電話をかけたりして気持ちを吐き出しました。
今、皆さんはそんなこともできない状況にいるのかもしれません。もしそうなら、自分より大きな力を求めて、克服できない試練は与えられないことを心にとめていてください。
皆さんのことを祈り続けています。幸せを願って。

デブラ(米国アラスカ州)
とても尊敬している人が、つらい時期を過ごしていた私にくれた、役に立つアドバイスを思い出しました。
「状況がどんなに悪く思えても、そんなことは関係ない。事態が、想像もできないような良い方向に進展していくことが、世の中にはたくさんある。どんなに状況がひどくても、あらゆる可能性があり、神の愛はすべての人の求めにいつも答えてくれるということを自覚しなさい」と、彼女は教えてくれたのです。
私の親友の夫がひどい脳卒中で倒れ、家族は救急治療室で医師達から、「もし生命の危機を脱したとしても、今後は腕を動かしたリ、座ったり、話したりすることはできなくなるだろう」と告げられました。
彼女が病院の救急治療室から電話をかけてきた時、私は尊敬する人からもらったアドバイスを伝えました。「他人があなたに何を言おうと、状況がどんなに深刻であろうと、それをそのまま受容することはないわ。どんな可能性もあるということを覚えておいて。恐怖に流されないで、ただ信じて」と、私は言いました。
医師達は、彼女の夫に奇跡が起きたと言いました。彼が元通りの健康体を完全に取り戻したからです。
皆さんは、これよりもっと大変なことに直面しておられることと思います。そして、皆さんには乗り越える力があることを、心から信じています。
どんなことでも可能です。奇跡は日々起きています。そして神の愛は人々のすべての願いを聞き入れてくれます。
愛を持って、あなたに寄り添っています。

ジュリー・B(米国ニューヨーク市)
ニューヨークで起きた9.11の突然の悲しいできごとのあとも、わたしたちはミーティングを続けてきました。でも、AAに出席するだけでもつらいときがありました。それでも、わたしたちは集まりました。おたがいに話をし、話をすることをやめずにきました。どうかアルコールを飲まないでください。助け合い、祈り、散歩をして、できれば簡素な食事をしてください。
この苦しみもいつか過ぎ去る、と人はいいます。そして本当に過ぎ去ります。生命というものは強く、回復力に富んでいます。日本のみなさんと一緒です。大震災をきっかけに、闇に向かってしまわないように。この苦しみは過ぎ去ります。今回を逃したら、お酒を断つ機会はもうないかもしれません。みなさんを愛し、応援しています。

ジュリア・B(英国ロンドン)
回復のさまざまな段階にある友人のみなさんへ
いま、みなさんが直面している苦しみの大きさは、わたしには想像もつかないものだと思います。でも、みなさんにお話ししたいことがあります。
わたしはアルコールやドラッグを断って24年以上になりますが、その間、数々の個人的な悲劇、社会的に大きな悲しいできごとを乗り越えてきました。たとえば、結婚式の翌日に流産し、子供を産めなくなってしまったこと、9.11当日にニューヨークにいたこと、1989年のサンフランシスコ大地震で被災したこと。こうしたできごとや大切な人やものを失った経験をアルコールやドラッグに手を出さずに乗り越えてこられたのは、祈ること(なんであれ、そのとき自分が信じているものに対して)、瞑想(毎日)、そして人と話すことによってです。
わたしが話をする人たちは、わたしの気持ちを理解してくれたり、落ちこんでいるときでも、せめてアルコールやドラッグに手を出さずにいることで、わたしが力になれるかもしれない人たちです。この方法はいつも簡単だったわけではありません。ほかの人のように悲しみに溺れてしまえたらと思うこともあります。でも、もちろん、問題はそんなに簡単に片づくものではありませんでしたし、これからも、どんなに不安でつらいことがあっても、悲しみに溺れてすみはしないでしょう。
あらためて申しあげますが、みなさんが感じているストレスは、わたしには想像もつきません。でも、こんなときこそ、どうか回復に努めてください。

シャーリーン・チェイス(米国ワシントン州)
私のような回復途上の旅人仲間へ。
私は断酒生活を33年続けていますが、ときには、日々の出来事による苦痛で死んでしまいそうに感じることもあります。今あなたが生きている人生のように。
私は、大いなる力によって、人生の後半に起きた予想外の離婚を乗り越えました。いかなるものも、いかなる人も、私に再び精神安定剤を飲ませるようなことはできないと知りました。
私たちの友情は、愛と強さでできた永遠に終わることのない輪です。勇敢で素晴らしいあなた方一人一人に、神様の加護と断酒生活の継続への私の祈りを送ります。
愛を込めて。

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